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zoom RSS 国際(ランドパワー社会とシーパワー社会/ランドパワー的なトランプ氏→日本は国際協調路線を!)

<<   作成日時 : 2017/06/23 00:35   >>

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【ロシアと西洋の関係 ≒ チャイナと日本の関係】

「ロシアと西欧」の関係は、「チャイナと日本」の関係に似ていると思います。(ここではアメリカは西欧の一部と位置付けます。)

ロシアはランドパワー、西欧はシーパワー。
チャイナはランドパワー、日本はシーパワー。

ロシアは抑圧的で閉鎖的、西欧は自由で開放的。
チャイナは抑圧的で閉鎖的、日本は自由で開放的。

西欧はロシアに脅威を感じ、グレートゲームと言われる争いでロシアが不凍港を得るのを阻止(代表的なのはクリミア戦争)。
日本は関係国の協力を得て、チャイナの海洋侵略を阻止しようとしています。

ロシアは市場経済が育たず、共産主義がはびこり、西欧は市場経済が根付きました。
チャイナも共産主義がはびこり、日本は早々に市場経済に移行しました。その萌芽は信長の楽市楽座に見て取れます。

ロシアは政教一致の専制政治を長らくとり、西欧は自由と民主主義を育てました。
チャイナも皇帝が黒と言えば白が黒になる専制政治が長く、日本は近代化以降、自由と民主主義を重視しました。

また、西欧は目の前のロシアを敵視し、チャイナとは友好を模索する一方、日本も目の前のチャイナを敵視してロシアとの友好を模索しています。

ユーラシアの東西で、実に見事な線対称になっているのは非常に興味深いことです。

同じような類似性を梅棹忠夫氏が書いておられました。ユーラシアの内陸部のロシアとチャイナは似ていて、ユーラシアの辺縁部の西欧と日本が似ているといった趣旨だと記憶しています。(「文明の生態史観」)


【専制的なランドパワー社会と、開放的なシーパワー社会】

おそらくこれは、ロシアとチャイナがランドパワー的な、西欧と日本がシーパワー的な政治・経済・社会を育んだことが原因であろうと考えられます。
ランドパワーとシーパワーという概念は、単に地政学にとどまらず、政治や経済、社会を分析する時にも有効であるとうかがえます。

ランドパワーは、専制的、抑圧的、閉鎖的であり、そもそも人権や自由、市場経済が根付かない硬い土壌であるという特徴をもたらします。さらに、政治の専制は嘘に支えられ、騙される方が悪いという風潮を作るようですし、権力以外の権威(特に宗教)を認めたがりません。

一方のシーパワーの特徴は、まず開放的であり、それゆえに自由、公正という風土が醸成され、その土壌の上に、市場経済や民主主義といったシステムが形成されやすいです。
さらに、政治権力とは別に、西欧ならローマ法王、日本なら天皇というように権威を求めます。これは、開放的ゆえの自由・公正という風土があるために、腐敗しやすい政治権力に全てを集約することを不健全だと感じる感性を持っているためだと考えられます。

そう考えれば、チャイナの民主化や自由で公正な市場経済への移行というものは土台期待できないという結論に至ります。

トランプ政権の保護主義化やパリ協定離脱などで、チャイナが従来のアメリカの地位を簒奪しようと虎視眈眈と動いていますが、「騙される方が悪い」と陰で舌を出していると見るべきでしょう。
自由で公正な貿易体制なんてチャイナには無理ですし、公正性が求められる国際協調(パリ協定)も無理です。鼻から無理と分かっていながら、手を挙げているのですから、みんなを騙そうとする気が満々であるとしか思えません。


【ランドパワー的なトランプ氏の専制志向】

トランプ氏はドイツ系ですが、ドイツは「ランドパワー」のロシアと「シーパワー」の西欧に挟まれた「中欧」に位置しており、ランドパワーとシーパワーの要素が振り子のように揺れる国民性を持っています。

ビスマルク専制、ナチス独裁というランドパワー的な時代があったかと思うと、ワイマール共和国、戦後民主国家のようなシーパワー的な時代もあります。また、戦後でも東ドイツはランドパワー的です。

トランプ氏の場合、ランドパワー的な要素が強いように思えます。目指すのは「専制君主」であろうと思います。選挙期間中からプーチン大統領にシンパシーを感じていたのは、ランドパワー的な性格ゆえでしょう。

トランプ政権で目立つのは、ホワイトハウス内のバノン派とクシュナー派の権力闘争です。これは、まるでチャイナや北朝鮮のような印象を受けてしまいます。
しかも、一方の頭目のクシュナーは娘婿、長女のイヴァンカもホワイトハウスに入っており、これも専制国家の王朝劇のようです。
また、ホワイトハウスの幹部たちが大統領に「感謝します」と言っている風景が映されましたが、これも北朝鮮に似ています。
さらに、大問題となっているFBI長官の解任もチャイナ的なものを感じます。民主主義を信奉する従来の大統領は、決してやらなかったことです。

シーパワー社会には異質で、むしろチャイナなどのランドパワー社会に典型的な「専制」こそトランプ政権の第一の特徴と言えそうです。


「反トランプ」は、当初は「1対99」の文脈で、メディアがエスタブリッシュメントを代弁して権力闘争でやっていた運動でした。この時点では、トランプ氏の方にシンパシーを感じました。
しかし、最近は、その異質性への生理的な嫌悪感に変質しつつあるようです。たしかにアメリカの大統領というより、チャイナや北朝鮮の専制君主のようです。

「自己の権力が最高」である「専制」は、基本的には国際協調(ウィルソン主義)とは相容れない面があるので、国際協調を放棄したのでしょう。一種のチャイナ化です。チャイナもロシアも北朝鮮も、「国際協調?そんなもん知らん」という路線です。

そう考えてくると、トランプ政権の外交の特徴は「チャイナ化」「ランドパワー化」です。日本は、そのうち(旧ソ連に対する東欧のように)衛星国扱いになる可能性があります。そうならないようにするには、日本が国際協調の流れを創り出す国家になる必要があるのではないかと思います。

トランプ氏は最近、チャイナの北朝鮮への介入が不十分だと触れつつ、なぜか「習近平は好きだけど」とツイートしたそうですが、習近平に、「専制」を志向する自分と同じ匂いを嗅ぎとり、共感しているのかもしれません。
最近のトランプ氏は上述のとおり、「チャイナ化」していますから。

(注)日本は、安倍政権が巧みに外交を舵取りしているとは思いますが、トランプ氏のアメリカとはそこそこ距離を置いた方がよく、むしろトランプ氏のアメリカが作る環境(北朝鮮情勢など)を利用して、「国防力の強化」など近い将来の日本のために成し遂げなければならないことをやった方がいいのでしょう。


江崎道朗氏が、(動画で)「トランプ氏はウィルソン主義を忌避してジャクソン主義を志向している」という趣旨のことを言っていましたが、たしかに「トランプ氏は、第一次世界大戦後の世界を形成してきた「国際協調」の流れを止めるつもりだ」との理解の上にトランプ政権を見るべきだと思います。

(注1)パリ協定離脱に関し、おそらくトランプ氏の中では「かつてはアメリカを支えた炭鉱などのラストベルトの労働者に寄り添いたい」という親分的な気持ちがあったのでしょうが、躊躇なく「国際協調」からの離脱を選択するのがトランプ流であることが判明しました。

(注2)「国際協調」は、中途半端な国防力しか持たない日本が「国益」を守る上で重要です。チャイナの海洋侵出に対しての日本の対抗措置の肝は「国際協調」です。日本は、クールになって、アメリカでもチャイナでもない国際協調主義の第三極を「国益」のために模索する必要がありそうです。そのヴィジョンを提示することができる政治家こそが「ポスト安倍」だろうと思います。


ランドパワー的なトランプ氏からは、
◯自由で公正な貿易を守ろうとか、
◯人権や民主主義が重要
といった価値観は出てきません。

これが問題です。安倍さんや麻生さんの「価値観外交」でないと、チャイナを封じ込めることは不可能なばかりか、チャイナを覇権国家へと台頭させる手助けをすることになってしまいます。

(注)欧米のメディアは、当初からトランプ氏の危険性を主張していましたが、それは単なる権力闘争でありました。上述は「チャイナ封じ込め」という日本の国益を守るリアリズムからの考えを述べたものです。


一方、アメリカは完全に「シーパワー社会」です。政治風土も経済社会もシーパワー的です。専制や独裁を嫌います。政権発足後、一時はおさまった共和党もシーパワー的な勢力です。
今後、トランプ氏の「専制化」に対して、共和党内部からも生理的な違和感が噴出する可能性(=政変の可能性)が大いにあると思います。

ウォール街にとっても、トランプ氏よりもペンス副大統領の方が望ましいことでしょう。市場経済を政治の前に屈服させる手法には、やはり「いつまでもそうはさせない」と考えているのではないでしょうか。

(注)ロスチャイルドの忠実な僕(しもべ)と思しきマクロン大統領は、G7サミットで思い切りトランプをコケにしました。両手を広げて迎えたトランプを完全に無視して、「反トランプ」のメルケルとまず握手し、またトランプ氏のパリ協定離脱の表明に対して「Make our planet great again !」とトランプ氏の決まり文句「Make America great again !」をもじって皮肉りました。欧州系国際金融のドン、ロスチャイルドの意向でしょう。


アメリカ国内に「反トランプ」の潜在的な土壌がある一方で、支持する国民もまだ4割います。「反トランプ」勢力は、この支持層を減らすべく、ロシア疑惑のようなダメージをじわじわと与え続ける気がします。

つまり、政権獲得後のトランプ現象とは、「(ランドパワー的な)専制化」がキーワードであり、
◯その専制の「側近」の座の争奪に余念がないのがクシュナー派とバノン派である一方、
◯「専制」に対して、生理的な「反感」や「違和感」を持つのが、西欧社会、メディア、ウォール街であり、今後じわじわとアメリカ社会(シーパワー社会)に広がっていくように思います。


以上、トランプ政治を読み解くのに、ランドパワー社会とシーパワー社会という概念を持ち込んでみましたが、まだまだアメリカの政治は、先行き不透明です。

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