令和の出典は和魂漢才の好例(直接の出典は万葉集)

新元号(令和)の出典をきっかけに多くの日本人が万葉集に興味を持ち始めていることはとてもいい傾向だと思います。
考案者を含めた関係者に大いに敬意を表したいです。

また、天皇や貴族という一部の者だけでなく、一般庶民の和歌も同列に載せているという、保守層では常識になっていることを国民向けに発信したことも、とても有難いことだと思います。


ところで、シナ・メディアを含む一部メディアが出典の万葉集の梅32首の序文に関して指摘し始めた、
・漢代の天才科学者・張衡が詠んだ帰田賦の「仲春令月 時和気清」がベースになっている
との指摘は全くその通りだと思います。


ただ、だからと言って、安倍総理が胸を張る日本古典の価値が色あせることはないと思います。

万葉集の原典に当たりましたが、
当時の代表的な歌人たちが、
・梅を素材にした漢籍を当然の教養としてお題を設定しつつ、
・日本特有の和歌32首を詠んだ
という情景が浮かびます。

「日本」の国号を創り(それまでは「倭」)、神話を含む歴史書である古事記、日本書紀の編纂を命じた
カリスマ天武天皇の影響が濃厚に残る万葉時代は「和魂漢才」をモットーにした時代で、
「和魂洋才」で独立を維持した明治時代と非常によく似た時代精神に覆われていた時代でした。


政府は、出典は日本古典と胸を張ったわけですから(画期的!)、先程のような出典に関する指摘を無視せず、

・直接の出典は万葉集
・該当文は、教養的な万葉歌人が漢代の張衡の「帰田賦」を参考にした一文と考えられる
・この序文の後に日本特有の和歌32首が続く
・日本は、万葉時代も明治時代も外国(それぞれ中国、西洋)の良いものを消化吸収し、独自に発展させてきた

といったコメントを出してほしいと思います。

日本と外国文化の関わり方のパターンとして、
・良いものは積極的に取り入れる
・しかし、そのままの学習ではなく、日本的に醸成発酵させる(和魂漢才、和魂洋才)

という特徴を示す格好の素材だと思います。

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