「シナ分裂」こそ最善のソリューション

【漢民族シナの「適正規模」】

シナの適正な大きさはどのくらいでしょうか。

シナ史において、漢民族が人類に貢献したのは、以下の時代でしょう。

①殷(漢字の発明)
②春秋・戦国時代(諸子百家の思想)
③漢(紙の発明)
④宋(印刷技術、羅針盤、火薬、紙幣の発明)

これらの時代の漢民族は、心からの尊敬に値します。

しかし、これらの時代のシナは今のように巨大ではなく、黄河水系と長江水系を合わせたぐらいです。
私は、このくらいがシナの「適正規模」ではないかと思います。

一方、シナが巨大な版図を誇ったのは、
隋、唐、元、明、清と今の中華人民共和国
です。

このうち、
・隋、唐は、鮮卑族、
・元は、モンゴル族、
・清は、満洲族
の支配する国家でした。
いずれも漢民族とは異なるユーラシア民族というべき異民族です(楊海英著「逆転の大中国史~ユーラシアの視点から~」)。

この時代、大帝国の統治は上手くいきましたが、漢民族からは殆ど何も生まれていません。

明や今の中華人民共和国は、漢民族がユーラシア民族の支配を真似た歪な国家です。


【「適正規模」を超えると権威主義体制、「適正規模」だとイノベーション】

漢民族支配において、先程の適正規模(二水系)を上回ると帝国支配コストが急激にかかり、抑圧的な政治になってしまうようです。

①~④は「適正規模」なので、支配が抑圧的でなく、社会の自由度が比較的あり、
それゆえに、人類史に貢献するような様々なイノベーションが起こったのだと考えられます。

一方、漢民族が巨大版図を支配すると、抑圧的になり、社会が萎縮してイノベーションが起こりません。

あまり言われませんが、宋代の漢民族は、人類史、近代史に大いに貢献した時代です。私は、「シナが宋代のようになればいいのに」とよく思います。

彼らが発明した「印刷技術」はヨーロッパの印刷技術の元になったとも言われていますが、
これが西欧社会の知的レベルを底上げし、カトリックの誤謬を知る人を増やして宗教革命まで起こしました。

宗教革命こそ近代の源流です。

「羅針盤」は大航海時代をもたらしまし、西欧への富の蓄積を促しました。

「火薬」は、その後の兵器発達の原点であることは言うまでもないでしょう。人類の戦争を二時代に分けるなら、それまでの刀剣、弓矢の時代と火薬後の時代に分かれます。

「紙幣」は、人類史上初めて宋で発明され、モンゴル帝国で採用され、これも西欧(ベネチア)に伝わり、資本主義の元となる金融資本を生みました。
このことは、強調してもし過ぎることはないくらい重要なことです。

宋は、貨幣経済が発達し、紙に書かれた金額を信じる信用の観念も発達したからこそ「紙幣」が発明されたのです。

脱線ですが、宋代は日本の江戸時代に似ています。
貨幣経済が発達して紙幣を用いる段階に至り、出版が盛んになって様々な小説や思想が生まれ、町人層が文化をリードしました。

日本では、江戸時代の後に明治時代になり、産業革命に適合した社会が形成されましたが、シナは後述するように「朱子学」の呪縛で停滞します。

話を戻します。
ヨーロッパで発達した「近代」は、宋代のイノベーションなくしてはなかったと言えます。

近代文明の恩恵を受けている我々西側の人間は、宋代のイノベーションの恩恵を受けていることを知っておくべきだろうと思います。

漢民族を侮るのは大きな間違いです。彼らは適度な環境下では、非常に優秀です。

しかし、宋では「朱子学」という、皇帝権威を最大限に高める権威主義的な学問が生まれてしまい、
その後のシナは「アジア的停滞」に陥ってしまいます。

シナを真似て朱子学を採用したコリアも衰退の一途を辿りました。

例外は日本で、「朱子学」を一時的に導入してもすぐに誤謬を見抜く人が多かったため、発展しました。
そもそも天皇制という「正統性」の保証がありましたから、朱子学の必要性も乏しかったのも大きいです。日本の幸運と言うべきでしょう。

宋で芽生えた「近代」は、西欧と日本で発達し、シナでは壊滅してしまいました。

ちなみに、日本も、宋には大変お世話になり、平清盛以降、日宋貿易が盛んでしたし、禅宗やそれに伴う水墨画などの文物も宋から入ってきました。(明とも交易しましたが、勘合貿易という、シナを敬う管理貿易(AIIB)でした。)



【漢民族は適度な環境下ではイノベーティブな民族】

上記で見てきたように、
漢民族は決してパクリだけの民族ではなく、
適度な環境下では極めてイノベーティブで人類文明の発展に貢献できる民族と言えるでしょう。

侮ると痛い目に遭います。善用すれば、人類はより豊かになれます。

宋代に芽生えた「近代」の発展形である自由と民主主義を漢民族も受け入れてほしいものです。

今のシナに必要なのは、宋代を継承できる自由・民主主義のシステムです。
漢民族が「失われた一千年」を取り戻すかどうかは、そうしたシステムを構築できるだけの適正規模の国家に分裂するかどうかです。

朱子学的体制の習近平シナでは、「中国製造2025」と銘打って、情報産業で国策的にイノベーションを生み出そうとしています。
目的は、シナによる世界覇権の掌握です。

つまり、情報産業に莫大な資金を投下し、シナの人材を世界中から呼び戻して、人為的にイノベーション環境を作ろうとしています。

これまでのシナ史では、あまり例のないことです。

こうした歴史に根差さないやり方で上手くイノベーションが起こるのかどうかは未知数ですし、
どうせ産業スパイがもたらした情報を元にした開発が主だと思いますが、

科学者の発明を悪の帝国が利用するのは戦隊モノやSFでよくあるモチーフです。

もし実現すれば、人類にとっての悪夢です。

覇権がシナに移るばかりか、ジョージ・オーウェルの「1984」並みの「超管理社会」が到来してしまい、脱却できなくなります。そして、世界は、この「超管理シナ」に呑み込まれていきます。

トランプのアメリカとウォール街のアメリカが共に、習近平シナの野望を打ち砕こうと必死になっています。

日本でもリアリストの多くが言い始めたように、本当に必死になるべき時だと思います。

今の人類は、ここ五千年の人類史では最大の分水嶺に立っていると言えるでしょう。


【シナは「七分裂」が妥当】

シナの「適正規模」に照らし合わせると、今の中華人民共和国は、
・旧満洲(現東北地方)
・内モンゴル
・ウイグル
・チベット
・華南(香港、深圳、広東)
が余計です。

シナに住んでいる人たちにとっても、巨大シナの重圧を受ける周辺国にとっても、人類にとっても、シナは分裂するのが良いかと思います。

どの程度に分裂するのが良いのでしょうか。
ⅰ 旧満洲

ⅱ 北シナ(黄河流域)
ⅲ 中シナ(長江流域)
ⅳ 南シナ(華南)

ⅴ モンゴル
ⅵ ウイグル(中央アジアの一部)
ⅶ チベット
の七つ程度に分裂するのが人口規模的にも丁度良いのではないかと思います。

シナは都市戸籍と農村戸籍で貧富の格差が激しく、
先進国から中進国程度に相当する都市戸籍は4~6億人で、
これらは、ⅰ~ⅳの4地域に集中していますから、
各地域1~2億人です。

これなら、抑圧的でない統治が可能です。

分裂後、それぞれどの外国と連携を強化するのでしょうか。

近年連携を強める日米英印の
特に米英と親和性が比較的高いのは、「中シナ」と「南シナ」、
日本と親和性が高いのは「旧満洲」で、
いずれも上海閥の勢力が根を張る地域です。

【長江以南→日米英印と結び、民主的な連邦制へ】

これらのうち「旧満洲」は波乱要因なので後述するとして、
「中シナ」と「南シナ」は、日米英印と連携を結びつつ、民主的な連邦制国家のような形態になる可能性があります。

もともと長江以南は、社会が先で国家が後というような風土があるのではないかと思います。黄河流域に比べて政治的ではなく、商業を重視するというか。

そのような国民性であれば、発展の可能性は大いにあると思います。日米英印もこうした地域を重視するのが良いでしょう。

台湾や香港から沢山の人材が民主的な国づくりを手伝う可能性があります。客家のネットワークも生かされるでしょう。

日本は、米英から警戒されるので、戦前の教訓を生かして米英との協調を最重視し、出しゃばらない方がいいでしょう。

TPPとの連携も視野に入れると、より価値が高まるだろうと思います。

何億人という人々が人権無視の共産党支配から脱却して、自由や民主主義を謳歌できるのは、とても良いことだと思います。


【黄河流域 →ロシアと結び、権威主義体制】

一方、黄河流域の「北シナ」は、ロシアと組むのではないかと思います。伝統的にランドパワーです。

ここでは、権威主義の権化である共産党支配は残るのではないかと思います。

ロシアと「北シナ」の間には、モンゴルや旧満洲、ウイグルがありますから国境問題はなく、それゆえに同盟関係を構築しやすいと思います。

この地域の何億人かの人々は、自由と民主主義への流れから取り残されることになってしまいます。

また、成都軍区の核兵器を得るために、常に長江流域の連邦国家を圧迫しようとすると思われます。ここが国際社会のせめぎ合いのツボとなるかも知れません。

既に広大で発展性のある長江以南を自陣営に入れた日米英にとって黄河流域はさほど魅力がなく、経済はジリ貧になるでしょう。


【旧満洲が波乱要因】

分裂後のシナを取り巻く最大の波乱要因は、旧満洲がどこと結ぶかだろうと思います。

地政学的に、旧満洲は難しい地域です。

近代のアジアは、旧満洲が争乱の元凶でした。
清の弱体化する中、ロシアが満洲に南下し、それを阻止するために日本は北進策をとり、日清戦争と日露戦争を起こしました。

シーパワー勢力にとっては重大事なので、日露戦争には大英帝国が日本側に加勢しました。

満洲は黄河流域の国家にとって鬼門です。
強国日本が満洲を勢力圏下に収めると、シナの防衛本能が覚醒し、あらゆる手段を講じて日本を孤立化させようとしました。

また、満洲に進出したいアメリカも、あの手この手で満洲権益に食い込もうとしました。

さらにソ連も、満洲から日本軍が北進することを恐れて、コミンテルンを使って日本をシナ(国民党)、そしてアメリカと戦わせるように工作しました。

第二次世界大戦が終わり、日本軍が撤退すると、中ソで齟齬がありましたが、最終的にはシナの一部となり、ここに満洲問題は落着しました。

旧満洲がどこと組むか、どの勢力圏下に入るかは、地政学的に大きな分かれ目になり、極めて重要です。

ここ百年の経験則からは、ロシアや北シナ勢力(ランドパワー)の勢力圏下になるのが望ましいのでしょう。

だとすれば、旧満洲の人々も権威主義体制から脱却できないですが、仕方ありません。

【南北シナ】
こうしてみると、今のシナの人口密集地帯は、
●北は、黄河流域(共産党支配)を中心勢力としてロシアと組むランドパワー
○南(長江以南)は、日米英印と組むシーパワー
として、南北の二大陣営に分かれるのがいいのだろうと思います。

何のことはない、シナ史によくある南北朝パターンです(隋唐の前後、金・元と南宋)。


【その他の地域】

モンゴル、ウイグル、チベットは、小国なので国際環境に大きな影響を与えることはないですが、特にウイグルとチベットで蓄積された反中感情は凄まじいものがあると思います。

彼らは、シナ共産党によって人権を蹂躙され続け、民族浄化政策が行われています。

小さくとも、先祖伝来の文化を継承できる心豊かな国家ができるといいと思います。

彼らの独立とダライ・ラマの帰還は、シナの分裂過程で最も起こってほしい出来事です。


【まとめ】

今の巨大な中華人民共和国は、漢民族支配としては「適正規模」を遥かに超えており、余計な統治コストがかかって抑圧的にならざるを得ない。

漢民族支配のシナの「適正規模」から見て7つくらいの国家に分裂すれば、
「長江以南」は、むしろ宋代のように人類に貢献するような国家になれるのではないか。

日本は、米英印、そして台湾や香港、客家ネットワークと協力して、「長江以南」の国家との結びつきを強め、また、民主的な連邦国家となるよう手助けをすべき。

ただし、欲をかかず「米英との協調」を最優先するのがポイント。

なお、地政学的には「旧満洲」は要注意。


【分裂は起こるのか?】

それは不明ですが、

朝鮮半島情勢の推移によっては、旧満洲(旧瀋陽軍区)が不安定化して、そこから瓦解が始まる可能性はあります。

また、一服感のあった共産党内の権力闘争が、景気悪化スパイラルで顕在化・激化し、そこから瓦解が起こる可能性もあります。

何がきっかけになるかは分かりませんが、「分裂」は、ここ10年くらいの間に起こるのではないかと思っています。


「体制72年寿命説」というのがあります。元々はゾロアスター教に由来する説だと聞いたことがあります。

大局的な未来予測をする場合は、こうした補助線を引いてみると見えてくることもあります。

適切な改革努力をしなければ、体制は72年しか持たないという説です。


○ソ連は、ロシア革命(1917年)から72年後の1989年、東欧が離反していった時点で実質終了しました。ソ連崩壊(1991年)までの残りの2年はオマケです。

○明治国家が完全に終焉したのは軍国主義に染まった1937~40年ですが、これは明治70~73年です。

○また戦後体制は左翼要素と田中派要素を混ぜた民主党政権で極まり、
戦後72年(2017年)前後から、言論空間では左翼は終わり、それとともに戦後レジュームは終わっているように思います。

○北朝鮮も韓国も建国は1948年で、来年2020年が南北とも建国72年を迎える年です。
金正恩のミサイル乱発や韓国のローソクデモが、まさしくローソクの消える前の一旦明るくなる現象で、
今や南北ともに、ひたすら自滅に向かっているようにしか見えません。


○中華人民共和国は、2021年に建国72年を迎えます。やはり、そろそろ終焉を迎えるのではないでしょうか。

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