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zoom RSS 憲法(帝国憲法の欠陥)

<<   作成日時 : 2017/10/12 23:53   >>

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帝国憲法は、いくつかの欠陥を内在させた残念な憲法だと思います。

帝国憲法では統制主義(軍国主義)を止められなかった、と言うか、むしろ「統帥権干犯」や「天皇機関説」への批判を錦の御旗にしながら、統制主義者たちが権力を掌握していったという点は重大です。

「大御宝をしらす」という素晴らしい中身が詰まった天皇統治であるはずが、その統治の中身が他の気味悪いものに置き換えられてしまい、日本の「国体」を守れませんでした。

憲法=「国体」ですが(英語ではいずれもconstitution )、国体を守れない憲法は欠陥品です。

@まず天皇の統治権です。
帝国憲法の第1条は、「大日本帝国は万世一系の天皇これを統治す」です。

天皇統治の基本は、本来は「しらす」です。
つまり、古来の天皇から連綿と続く如く、「弱い立場の人々に寄り添う」というのが天皇統治の基本です。これは天皇からご覧になったときに、国民のことを「大御宝(おおみたから)」と呼ぶのと通底するものです。

しかし、このことを戦前のどれほどの人々が認識していたでしょうか。たしかに、仁徳天皇の「民の竈(かまど)」の伝承を学校で教えてはいましたが、どれほどの人々が現実の政治と結びつけていたでしょうか。

むしろ、北一輝らの左翼は、天皇を政治権力の淵源とみなして、天皇を担いだ左翼革命を画策しました。この権力掌握手法は、天皇の「統帥権の神聖性」を叫んだ軍部も同じです。

「民の竈」伝承でイメージされる天皇は、むしろ超格差社会を打倒するために、時の政府を排撃する際の錦の御旗として利用され得るわけで、左翼が権力掌握する際に都合の良い法理を与えたと見るべきではないでしょうか。
天皇を担ぐ左翼は、「天皇の赤子」てあるはずの臣民が貧困に喘いで一部の富裕層が私腹を肥やしているといった言論を展開して革命の機運を高めました。(注 左翼の中でも共産主義者は天皇制否定)

私には、政治権力と天皇を切り離した現行憲法の方が、我が国の「国体」を守る上でも、またトンデモ政権が維持されることを防ぐ上でも、数段優れていると思います。

戦前のいわゆる「軍部政権」は、「民主党政権」と似たトンデモ政権です。現行憲法では民主党政権は3年しか持ちませんでしたが、帝国憲法であれば、トンデモ政権を10年近くも継続させ、ついに帝国を滅亡に至らしめました。

つまり、「天皇が統治す」と定めてしまったのは欠陥です。
天皇が統治権を有していると読めるような定め方をすれば、誰も否定できないので政治利用されやすくなる(天皇を危険に晒す)という不敬を孕んでしまうということです。

昭和天皇の昭和21年1月1日の詔書は、
・有名な人間宣言
・明治天皇の五箇条の御誓文(万機公論に決すべし)
に触れておられます。
凡百には大御心は分かりませんが、おそらく、戦前の軍部独裁を苦々しく思っておられ、
・天皇の政治利用はダメ(その元となる神格化もダメ)
・戦前のごとき、自由と民主主義の抑圧体制はダメ
・日本人は、もっと知恵がある。明治を見よ!
ということだったのではないかと思います。
「GHQの意図に抵抗し、アメリカからの押し付け民主主義の前から日本には民主主義があったと言わんとされた」と言われますが、昭和21年元旦時点では、国民主権を盛り込んだ現行憲法は制定されていません。

後述するBの「人権」と合わせ、昭和天皇こそ自由と民主主義を重んじる、崇高なる真のリベラリストであり、その御主張が「明治のリベラリズムを思い出せ!」だったのではないかと愚考します。リベラリストですから、リベラリズムの国から来た元帥とは何か通じるものがあったのだと。。。

昭和天皇と戦前体制の関係で言えば、保守の一部には戦争を美化する人たちもいますが、昭和天皇が開戦前に「よもの海」を敢えて詠まれたことをどう解釈するのでしょうか。軍部(統制派)が日本を戦争に引きずり込んで、外務省にも売国奴がいたことに怒っておられたそうです。


A権力の乱立
倉山満氏によれば、伊藤博文が自由民権派が政権についても制止が効くように、枢密院その他の機関を設けて、権力を分散させたそうです。
それは、正しい洞察であろうと思います。

ということは、権力や責任が分散してしまい、ロクな政権運営ができない事態に陥るというリスクを包含した憲法だということです。
実際、内閣と軍部が権力の綱引きをして、内閣が弱体化する中から「軍部政権」という、左翼的な統制主義者たちの政権が生まれたと考えられます。

現行憲法は、国民主権→選挙による議員選出→議院内閣制を明確に定め、さらに議会と内閣の関係も明確に定めて、権力や責任が分散しない統治機構を定めています。
現行憲法の下では「民意」が錦の御旗ですが、どれだけ長くとも4年経てば選挙があります。いかに錦の御旗をかざそうが、最長4年で権力の淵源から正当性を問われます。

戦前の軍部政権が帝国滅亡まで存続したのとは異なり、悪夢の「民主党政権」が3年しか続かなかったのは、明らかにこのためです。

帝国憲法では、
・議会は、天皇の「協賛」機関
・各大臣は、天皇の「輔弼」機関
・枢密院は、天皇の「諮詢」機関
・軍の「統帥権」は天皇
と、いかにも乱立しています。どれが一番偉いんでしょうか。

また、
・「議会」には、貴族院(皇族、華族、勅任の議員)と衆議院(公選の議員)があります。政府案(法案、予算案等)に対する拒否権という強い権限があるわけですから、政党や貴族が権力を持つことになります。

・また、天皇の「協賛」機関という位置付けの「議会」は、「天皇」を他権力に押さえられると、統制体制を生む土壌になります(大政翼賛会)。つまり、その気になれば、民主主義を停止させることができ、それゆえに自由・人権を抑圧する政体を構築することを帝国憲法は許容しています。つまり、自由・民主主義を抑圧することが可能な憲法です。

・「内閣」に関する規定がないため、議会と内閣の関係が極めて不明確です。「各大臣」がそれぞれ天皇を輔弼するわけですから、内閣総理大臣に強い権限を与えられようがありません。
戦前の短命内閣と政治の混乱は、帝国憲法に由来するのではないかと思います。

・「政府」という存在も規定しているのですが、これと内閣の関係は不明確どころか「不明」です。それゆえ、内閣をどう形成するかが自由すぎ、官僚、政党政治家、軍部のうち、力を持った勢力が形成することとなります。

・立法、行政、枢密院、司法、軍の五権の淵源は天皇にあり、それゆえ天皇を政治利用した勢力が他よりも優位に立つわけです。

つまり、帝国憲法の規定する統治機構は、天皇以外に確たる正統性がない状態であり、議会制民主主義も、官僚独裁も軍部独裁も許容してしまうような欠陥があったわけです。
現行憲法の三権分立、国民主権、議院内閣制の方が遥かに優れていると思います。


B人権の法律委任
「人権」を規定する一方で、その人権の(制約を含めた)内容を法律に委任しています。
例えば、帝国憲法は「法律に定める範囲内において居住および移転の自由を有す」のように、法律でどこまでの自由があってどこから制約するのかの境界線を引くことが許容されます。つまり、強い制約を課しても違憲になりません。

このため、統制主義者たちが権力を掌握した戦前、本当に自由・人権が制約されてしまい、日本的ではない社会になりました。

過去記事(http://s.webry.info/sp/66575033.at.webry.info/201709/article_11.html)で書いたように、日本では古来、臣民は「大御宝」とされ、「人権」と親和性の高い国体を育んできました。これは、チャイナやコリアと比べれば一目瞭然です。

しかし、外来の左翼思想に汚染された統制主義者たちはこの歴史観を持っていなかったようで、ソ連に習って「人権」を抑圧しました。
天皇は、彼らにとって道具に過ぎなかったわけで、「人権」の制約を法律に委任する帝国憲法は、それを許容してしまったのです。

(注)現行憲法でも、実際には「人権」の詳細化は法律で行われますが、憲法で法律に委任していないので、制定した法律が憲法に違反していれば無効になります。

この点、アメリカもルーズベルト民主党というコミンテルンの友だちが政権を掌握したにも関わらず、合衆国の原点である独立宣言が「人権」を基盤に置いていて、これをベースにした憲法があったために、自由と民主主義を守ることができました。


【まとめ】
・天皇の統治権(天皇の政治利用)
・統治機構(権力乱立)
・人権規定の曖昧さ
の観点から、帝国憲法には欠陥があると言わざるを得ません。

実際、帝国憲法は、戦前の左翼的な統制主義の政体すらギリギリ許容できる幅があり、それが結局は敗戦直後には「天皇制」を廃止の危険に晒した訳ですから、「国体」重視の観点からも帝国憲法は重大な問題を孕んでいました。

上記三点から見れば、現行憲法の方が遥かに優れていると思います。


【重要な補足】
ただ、このブログでも度々取り上げているように、前文と9条はNGだと思います。

交戦権を否定した中での自衛隊では、国防に限界がありますし、自衛隊員を無駄な危険に晒してしまいます。繰り返しますが、安倍総理の3項追加(2項固定)には反対です。

また、「日本が悪うございました。国際社会は信義に満ちています」というカルト的な前文は気持ちが悪過ぎます。

・縄文時代からの平和愛好の歴史を有する。
・チャイナや欧米などの外来文明の良きところを積極的に受容して消化してきた。
・国民を「大御宝」と呼ぶ万世一系の天皇が祭祀を行われ、国民は天皇を敬愛してきた。
・戦前の一時期は、統制主義者が人権を抑圧するとともに民主主義を停止させたが、これは誤りである。
・戦後は、その反省に立ち、自由と民主主義を守る勢力として国際社会での役割を果たすことが、我が国の使命。
といったことを書いてほしいものですが、無理でしょう。。。


また、これまではあまり書いてきませんでしたが、天皇の国事行為に「宮中祭祀」が含まれていないことは問題だろうと思います。

古来どのように政治権力が移り変わろうが、天皇の第一の性格は「最高神官」であり、それゆえに男系継承の万世一系なのですから、「祭祀」は天皇を規定する上で、本来は不可欠であろうと思います。
「祭祀」という伝統的な精神文化を他の宗教と一緒くたに扱うことが、そもそもの誤りです。熊本の阿蘇神社に見るように各地の震災でも、神社の再建に行政が補助金を出せないというのはおかしな話です。まぁ、公明党が参画した政権で、そうした改憲ができるとは思えませんが。。。

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